ORCHESTRAL EXCERPTS for TUBA
ジーン・ポコーニー
シカゴ交響楽団主席テューバ奏者であるジーン・ポコーニが録音した所謂オーケストラスタディのCDである。
- アーティスト: Principal Tuba, Chicago Symphony Gene Pokorny
- 出版社/メーカー: SUMMIT
- 発売日: 1997/09/29
- メディア: CD
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10年の長いブランクからテューバに復帰したのが初体験の管弦楽だったので勝手がよくわからず、教則本やCDやらを買い込んでいたのだが(おじさんはえてして知識から固めようとしがち)オケスタの楽譜集とCDがあることがわかり、早速購入して聴いてみた。
30秒ほどの短い解説(ジーン・ポコーニ本人の声)の後、実演するというくりかえしで全部で24曲収録されている。
シカゴ響は伝統的にヨークモデル(通常の1.5倍の太さ)のテューバを使用しているが、このCDでもほとんどの曲をヨークで演奏しているので、太くてド迫力の音を聴くことができる。
圧巻はプロコフィエフのロミオとジュリエットで、唇の振動のひとつひとつがパタパタと判別できるような重低音のff(けっして破綻した汚い音になっていない)で、思わず「スゲー!!」っと叫びたくなる音である。私はこれを聴いて一発でジーン・ポコーニのファンになった。そして「めざす音はこれだ!」と一人で頷いたのだった。
この音に触発されて少しでも近づきたい私は、今まで所有していたB♭管を下取りし、ペラントゥッチモデル(通常の1.25倍の太さ)のC管を購入してしまったのだ。(楽器の見た目だけは多少なりとも近づいた!)
このCD、フルオーケストラをたった一人で制圧することのできるテューバの究極の音がつまっている、至宝の1枚と断言したい。