ペールギュント

グリーグ

小学校の音楽鑑賞でよく採りあげられ、フルートのソロがとてもさわやかな「朝の気分」が最も有名だが、劇のストーリーを追ってみると主人公のペールがとんでもない極悪非道の暴れん坊であったことに驚く。さすがにこの人物設定では小学生には刺激が強すぎて教育に差し障りがあるだろう、音楽鑑賞の際に詳しいストーリーの説明は無かったように記憶している。

数年前、オケが読響、語りが江守徹でこのペールギュントを体験した時は演奏も語りもたいへん素晴らしく、ペールのひどい仕打ちも霞んでしまうほどだった。

組曲の全部にテューバが乗るわけではなく、比較的ヒマであるが、「山の魔王の宮殿にて」の後半フォルテになってからはバリバリだし、「ペールギュントの帰郷」では不気味な雰囲気を醸し出すC音のロングトーンのソロを演奏していると何故なのか優越感が得られる。

演奏する際は大概「物語り仕立て」になるであろうから、タセットの曲のときは自分も聴衆の一人となって楽しむつもりでいれば気が楽だ。

ペールギュントの人格はともかくとして、音楽は素晴らしい。

音楽物語「ペール・ギュント」

音楽物語「ペール・ギュント」