ホルニストという仕事

ポール・プリッチャード(山田淳 訳)

アクティブな活動をしているアマチュアテューバ奏者は、ひとつの団体にとどまることなく、周辺のオケやバンドからトラを頼まれることが多いわけだが、初めて訪れた団体でどういう目の動き、表情、態度、行動をしたらよいかなどの心構えはひょっとしたら誰も教えてくれないかもしれない。

そんなときにまごつかないように懇切丁寧なアドバイスを皮肉とジョークを交えて面白おかしくしてくれているのがこの本である。

ホルニストという仕事―音楽家のビジネス・ライフ

ホルニストという仕事―音楽家のビジネス・ライフ

他にも例を挙げれば

○セクション内の溶け込み方
○楽器の選択
ダイナミクスと音の入り
○アシスタントの心構え
○1番〜4番ホルンのそれぞれの役割、気質、条件
○本番への心構え
○よくやる失敗!

まだまだ盛りだくさん用意されている。

「英国において音楽大学に在学中あるいは卒業したばかりのプロを目指すホルン奏者」を対象に書かれたものなのだが、基本的な部分は全ての金管楽器に共通のことなので「日本において会社勤めのかたわら再び復帰の為の充電をしている中年のテューバ奏者」にもとても勉強になるのだ。そして勉強になるだけではなく、何より読んでいておもしろい「読み物」としても上物といえるだろう。