交響詩フィンランディア

シベリウス

オケのテューバは出番が少なくて「暇!」。 だから漠然と皆の演奏を聴いていて自分の出番を「おとす!」。 その落ちたことを「誰も気付かない!」。 この失敗を取り戻すべく、次の出番ではちゃんといい音を出さなきゃと気合をを入れて音を出すと「うるさいと怒られる!」。
つくづく悲しい宿命の楽器なのだ。

しかしこのフィンランディアに関してはこの法則が当てはまることは無く、のっけから全開バリバリ、その後の静かなコラールの後、徐々にクレッシェンドそしてモルトクレッシェンドそしてモルトモルトモルトモルトモルト!と息が全然足りない。

そしてテューバの音が裸になる部分がある。ラストの大クレッシェンド直前に2分音符を4回続けるのがそれだ。2拍目にはトロンボーンやシンバルが入るのでほんの瞬間的なのだけれど、悲しいことにそんなつかの間の出来事がやたら誇らしい。

フィンランドの第2国歌といわれる、民衆の想いがたっぷり詰まったこの曲を指揮する指揮者も、大概は非常に情熱的に力のこもった指揮をする。そんな演奏に我がテューバも貢献できて、とてもやりがいのある佳曲といえる。

シベリウス:交響詩集

シベリウス:交響詩集

シベリウス:交響曲第2、5番 / フィンランディア / ヴァイオリン協奏曲 / カレリア

シベリウス:交響曲第2、5番 / フィンランディア / ヴァイオリン協奏曲 / カレリア