いびつな音楽鑑賞法

音楽を聴いたとき、テューバの音だけ増幅して聴いているのに気付くことがある。

別に意識してそうしているわけではなく、TVCFやラジオから流れてくるなにげない音楽にも、その中にテューバの音があると「いい音だなア、いったい誰が演奏しているんだろう」とテューバしか聴いていないのである。

だから管弦楽吹奏楽を聴くときなどは、テューバの音を「捜し聴き」し、自分が演奏するときのことを想像しながら「ああ、今のはいい音だ。」「今のは音域が高いから大変だ!」「あんな大きい音出るかなあ。」などと忙しい。

自分がこれから演奏する曲を勉強するためなのだったらこれでもいいのかもしれないが、純粋に音楽を「鑑賞」する場合には良い聴き方とはとても言えないだろう。

しかし多少なりとも楽器演奏に覚えのある方なら、多かれ少なかれ似たような現象がおきるのではないかと思うがどうだろう。


クラシック音楽鑑賞事典 (講談社学術文庫)

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