スティーブ・ロセ公開クリニック&コンサート
シドニーシンフォニーの主席テューバ奏者、スティーブ・ロセ氏の公開クリニック&コンサートが新大久保の管楽器専門店「ダク」の地下ホールで行われたので聴講した。過去に金管五重奏の公開クリニックを大きな会場の後ろの方から眺めたことはあるけれど、まじかな位置でしかもテューバ単独のものに参加したのは初めてである。半年以上も楽器に触れてもいない人間が参加するのは図々しい話だと思いながらも、せっかくのチャンスを逃す手は無いと考え直し、聴講することにした。なおミニコンサートの方は私の都合で聴くことが出来なくてとても残念であった。
主催者の意図なのか4人のアマチュアテュービストがそれぞれ、F管でバッハの無伴奏チェロソナタ、B♭管でワルキューレの騎行など超低音のオケスタ、C管でハートレーのテューバソロ、E♭管で再びバッハのチェロでハイトーンといった具合にバランス良く配分されていた。
メモをとったわけではないので覚えているだけ箇条書きにすると
○第一に何は無くともたっぷりのブレスとリラックスした姿勢。息が足りなくなった貧弱な音をだすよりは、頻繁にブレスしてでもしっかりした音を。
○うるさい音と大きな音は違う、ウィーンフィルのあの美しいコントラバス群と合わせる事を想像してみて欲しい。うるさい音を出す人はいないだろう。
○リラックスした状態で口の中をもっと空けるように、舌の位置を調整。
○スラーを滑らかにするため、ハーフバルブを利用して、ゆっくりとグリッサンド気味のスラー練習。
○ウォーミングアップの際、やる曲の調性のスケール練習を必ずすること。
他にも沢山言及していたが、ざっとこんなものだろうか。
聴講しているその時は「実に素晴らしい!」と思ってたが、今文章にしてみてわかったのは、これって結局「全ての管楽器奏者に通ずる基本中の基本ではないか!」ってこと。アマチュアとプロの差っていうのは詰まるところ「基本が出来てるかどうか」ということにつきるのだろう。それが分かっただけでも聴講して良かったと思う。
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