ベニーグッドマン物語

スウィング・ジャズの黄金時代を築いたクラリネット奏者ベニイ・グッドマンの半生を描いた音楽自伝映画。少年時代からクラリネットを吹き始めたベニイ(スティーヴ・アレン/本人にそっくり)が、やがて「キング・オブ・スウィング」の照合を得て、1938年のカーネギーコンサートを成功させるまでを描いている。

ツタヤの半額キャンペーンに誘われてザラザラ借りたDVDの中の一本。あまり期待せずに観た訳だが、思わぬ場面で「うるっ」ときてしまい大変戸惑う。

ビータ(公演旅行)の途中、とある島のレストランでバイブの名手ライオネル・ハンプトンに出会う。レストランの客の一行がベニーグッドマン楽団の面々であると知ったライオネル・ハンプトンはバイブの演奏を始めた。するとその演奏の素晴らしさにいてもたってもいられなくなったベニーグッドマンはクラリネットを手にして演奏に加わる。やがてピアノのテディ・ウィルソン等、他のメンバーも加わり、いきなり大セッションとなった場面では背中がゾクゾクした。

またプライベートのサロンコンサートでオーケストラをバックにしてモーツアルトクラリネット協奏曲を軽々とそして堂々と演奏した場面では心から拍手喝采を送った。

最初はクラシックの先生について勉強していたがやがてジャズの魅力にはまり、地元シカゴのバンドに顔を出したとき、しっかりとベルフロントの(おそらくキングの)テューバが活躍していた。
思いがけずテューバもしっかり登場していたので、私としてはとても快楽である。

テディ・ウィルソンライオネル・ハンプトンなど、主要なメンバーは本人が演奏しているので映画音楽自体としても歴史的価値がある素晴らしい映画に出会えてとても嬉しい。